TOPへ戻る

独自データ・試算/分析

マウスとショートカットは何秒違う?

執筆・編集:ショートレ編集部公開 2026.07.15更新 2026.07.24約6分

『ショートカットは速い』と言われますが、すべての操作で同じ秒数が短縮されるわけではありません。ここでは実測値を装わず、操作時間の研究モデルを使って、差が生まれる仕組みを計算します。

KLMで試算したショートカット0.4秒、マウス1.3秒または1.7秒の比較グラフ
KLMの代表値を用いた条件付き試算です。個人の実測結果ではありません。

計算を再現するための前提

ショートカットはキー操作2回として0.2秒×2=0.4秒、手がマウス上にある場合はポインティング1.1秒+クリック0.2秒=1.3秒、手がキーボード上にある場合はさらに入力装置間の移動0.4秒を加えて1.7秒としました。

この比較では両方に共通する思考時間を相殺しています。公開JSONには使用した演算子、式、結果、除外した要因を記録しており、数値だけを変更せず再計算できます。

KLMは熟練者の定型操作を予測するモデル

Keystroke-Level Model(KLM)は、キー入力、マウスで対象を指す動き、手をキーボードからマウスへ移す動きなどを分解し、熟練者が定型作業を行う時間を予測する方法です。1980年にCard、Moran、Newellが発表しました。

原論文の代表値では、平均的に熟練したタイピストのキーまたはボタン操作を0.2秒、画面上の対象を指す操作を1.1秒、手を別の入力装置へ移す操作を0.4秒と置いています。これは現代の全利用者にそのまま当てはまる実測値ではなく、比較のためのモデル値です。

一つの命令を呼び出す単純な比較

両方の方法に共通する『何をするか考える時間』は相殺し、物理操作だけを比べます。

方法モデル上の操作予測時間
キーボード修飾キー+文字キー=2回のキー操作約0.4秒
マウス(手がキーボード上)マウスへ移動+対象を指す+クリック約1.7秒
マウス(すでに手がマウス上)対象を指す+クリック約1.3秒

モデル上の差は約0.9〜1.3秒

上の条件では、ショートカットはマウス操作より約0.9〜1.3秒短い予測になります。メニューを開いてさらに項目を選ぶ場合はマウス側の操作が増え、差が広がる可能性があります。反対に、キーを思い出せず迷う場合や、すでに目的のボタン上にポインターがある場合は差が小さくなります。

大切なのは『どの操作でも必ず1.3秒短縮できる』と断定しないことです。KLMはエラー、学習時間、疲労、個人差、システムの待ち時間をすべて表すものではありません。

速さは一回より繰り返しで効く

一回の差は小さく見えますが、コピー、貼り付け、保存、検索などを一日に何度も行うと積み上がります。

ただし、ほとんど使わない複雑なショートカットを覚える時間まで含めると、必ずしも得になるとは限りません。頻度の高い操作から選ぶことが重要です。

参考資料

歴史的な事実や現在の操作は、以下の公開資料を確認して記述しています。

  1. The Keystroke-Level Model for User Performance Time with Interactive SystemsCard, Moran and Newell / Communications of the ACMKLMの原論文と代表的な操作時間

関連する学習ガイド

よく使う操作から練習する方法を紹介しています。

短い練習を続けるコツを見る

関連記事